高校1年生か2年生で始めることをお薦めします。
美術系の実技は、音楽方面の実技のように幼少の頃から始めなければいけない、ということはありません。高校生になってから始めて充分に間に合いますが、国公立大学や倍率の高い私立大学など難度の高い試験に合格するには、早く始めるのが有利であることも確かです。私立の試験日も年々早くなっていて、AO入試では5月頃にエントリーをして夏には入試がある、という実情です。また実際の高校生活では、中間・期末のテスト、文化祭などの行事、クラブ活動などに時間が割かれますので、高校生活と受験勉強を無理なく両立させるためにも、ゆとりを持って練習を開始することが望まれます。
実技練習は単に受験勉強にとどまらず、大学に入ってから必要な基礎力を身につけるために不可欠ものです。当研究室は将来につながる確かな基礎力を育むような指導を心掛けています。1年生でまだは始めていない人も、2年生になったら具体的に実技練習を始めることを考えてください。まずは春、夏、冬の講習会を体験してみるのもよいでしょう。 ▲このページの上へ |
上記のように早く始めるほうがもちろんよいのですが、3年生から始めるのは遅くて間に合わない、という訳ではなく、集中して練習すれば合格レベルに達することが出来ます。事実、今までにもそのようなかたちで志望校に合格している人はたくさんいます。その場合にまず大切なのは、目標をしっかりと定めることと、必要な練習量を優先して確保することです。 |
クラブ活動を行っていると必要な時間を実技に割り当てる事ができずに、どうしても遅れがちになります。とは言っても、一度しかない高校生活でクラブ活動に熱中することもゆずることのできない大切なことです。当研究室では個人別カリキュラムを組み立てて、クラブ活動との両立を図っています。学期ごとに実技のコースを選択していただきますが、途中からコマ数を変更して練習量を増やしたり、減らしたりすることができます。クラブ活動中は少ないコマ数ながらも継続して練習することで基本を身につけておいて、引退してから練習量を増やすことで集中的にレベルアップしていくことができます。 ▲このページの上へ |
そんなことはありません。当研究室の創立以来の20年間の結果では、国公立合格者277人のうち、現役生203名、浪人生74名と、現役生が浪人生よりも2.7倍も多いのです。それは当研究室が志望校と状況に配慮した個人別対応の指導を行って来た成果です。大学別で見ても京都市立芸術大が合格者103名のうち現役62名/浪人41名、金沢美術工芸大が合格者20名のうち現役17名/浪人3名、岡山県立大が合格者27名のうち現役 22名/浪人5名、大阪教育大が合格者34名のうち現役30名/浪人4名、尾道市立大が現役12名/浪人0名、神戸大学が現役7名/浪人3名、沖縄芸術大が現役3名/浪人2名、東京芸術大が現役1名/浪人0名、など現役生でもしっかり合格しています。 ただし、試験は水ものですので、私立大を受験せずに国公立大に志望を絞り込む場合は、浪人もできる環境を整えておく必要があります。センター試験用の学科対策も日頃からおろそかにしないようにしてください。 |
普通科からでも進学できます。当研究室の進学者数を見ても、普通科からの進学者のほうが多い状況です。美術科のある高校では、美術・デザイン・工芸についていろいろと体験することができます。早くから適正を見極める事ができますが、大学受験という意味では受験対策の実技指導に大きく時間を割くことはありませんので、最終的には専門の受験指導を受ける必要もでてきます。 ▲このページの上へ |
「美術の方向へは行きたいものの具体的に何をやりたいかはっきりしない」という場合でも、美術の勉強をやり始めていると、練習をする中から自分の適正や方向性がはっきり見えてきます。また、どんなジャンル、職種があるのか、具体的にどんな作業や仕事をするのか、など知らないことも多いでしょうから、研究室の資料を見たり先生から話を聞いたりして、いろいろ知っていくうちに、やりたいことが見えてきたりします。 京都市立芸術大学のように、美術科、デザイン科、工芸科という大きなくくりで入学し、基礎を勉強してからさらに細かなコース選択ができる大学もあります。 |
もちろん変えることができます。志望校が変わればすぐに対応して、カリキュラムも組み立て直していきます。第一志望と併願校とのバランスも常に考えていきます。
もともと当研究室では国公立大志望のコースや私立大志望のコース、あるいは油彩志望のコースやデザイン志望のコースというように、志望校別にコース設定を分けていません。個人それぞれの志望に対応して行きますので必要のない練習を続けてしまうことはありません。 ▲このページの上へ |
受験校は第一志望一本にしぼった方が集中して実技練習できて良いのですが、浪人ができないなどの事情で、現実にはいくつかの大学を併願することが多い状況です。その場合でもたくさん受験すれば合格しやすい、というわけではなくて、実技内容がバラバラなところを併願すれば共倒れの危険がでてきます。当研究室では入試内容の情報と過去の実績、個人の状況を照らし合わせて、併願する場合も適切なアドバイスを行っています。 |
はい、できます。体調不良や学校の定期試験、行事で休むこともありますので、別の日に来ることができれば振替をしてもらっています。ただ、生徒数が多く教室の空きが少ないときは振替日数で不公平ができないように、1学期につき何回まで、というように振替日数を制限する場合もあります。 ▲このページの上へ |
芸大美大に進学したら就職先がないと思われている方も多いようですが、そんなことはありません。まず、デザインというジャンルは社会的な仕事なので、デザイン科の学生は就職活動をして企業のデザイン部やデザイン会社・事務所、広告代理店などに就職します。美術・工芸の学生で就職していない人は、アルバイトをしながら美術・工芸の作家を目指すなどの理由で就職活動をしていないからで、就職先がないわけではありません。美術・工芸の学生でもデザイン関係の会社・事務所で働いたり、中学、高校、大学で指導者になったりしています。工芸科なら各種の工房に入って働く人もいます。 たとえば日本画出身であれば日本画を描くことそのもので就職できる場所は(大学の教員以外には)ないかもしれませんが、文化財や美術品の保存修復、染織関係、ゲームのキャラクター制作など、その描写力が活かせる仕事があります。彫刻ならば博物館の模型やフィギュア制作、舞台美術、店舗のディスプレイや建築の内装に関わる造形など、その能力が活かせる仕事もあるのです。 今は昔と違って大学でも、国公立、私立を問わず、就職活動に力を入れて指導しています。 |
まず言えるのは、努力し続ける能力さえあれば、芸大美大に進学することができます。大学でしっかりと勉強していく中で自分の適性・方向性を見極めることが大切です。
確かに一流の美術家やデザイナーになるためには才能が必要です。しかしその才能というものは努力し続けること、自分の好きなことに心底打ち込んでいくことの中にしか存在しないということも確かな事なのです。何もしないうちから才能の有無に悩んで、勉強を始める前にあきらめてしまうのはもったいない事です。まずは好きかどうか、が大事です。自分が好きだと思えることに心底打ち込んでいく中で開花する才能、見えてくる適性というものが必ずあるはずです。努力し続ける能力があるか、やり続ける事ができるか、それを試してみて下さい。 ▲このページの上へ |